まとめて解説!省エネ住宅関連の減税制度
2024年(令和6年)1月から住宅ローン減税を受けるには省エネ性能が必須となりました。2025年(令和7年)4月には改正建築物省エネ法が施行され、原則すべての新築住宅は省エネ基準に適合が義務付けられる予定です。
以前、省エネ住宅の補助金や制度についてお伝えしましたが、今回は省エネ住宅を購入する際に優遇を受けられる税制についてお伝えしていきたいと思います。
1:住宅ローン減税
上記でもお伝えした通り2025年(令和7年)4月以降は、すべての新築住宅に「省エネ基準の適合」が義務化される予定です。このことから、2024年(令和6年)1月から住宅ローン減税を受けるには原則として省エネ基準に適合することが要件となっています。
住宅ローン減税は住宅の性能(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅・省エネ基準に適合しない住宅)と新築住宅か既存住宅かによって借入限度額や控除期間が異なります。
※令和6年度税制改正において、子育て世帯・若者夫婦世帯の場合には、借入限度額を2022・2023年入居の場合の水準を維持することとなりました。
住宅ローン減税の申請に必要な書類等、詳しくは『住宅ローン控除とは?適用条件をさくっとご紹介!』のコラムをご覧ください。
2:省エネ住宅による税制優遇
省エネ住宅を建てると、税制においても優遇される場合があります。各種税金における控除や特例について見ていきましょう。
2.1: 固定資産税
認定長期優良住宅に認定された場合は5年間、固定資産税が税額の1/2軽減される優遇を受けられます。減額1/2は一般住宅と変わりありませんが、減額の期間が一般住宅よりも優遇されています。
2026年(令和8年)3月31日までに新築された住宅が対象となっています。
■適用を受けるための主な要件
・床面積が50㎡以上(一戸建て以外の貸家は40㎡以上)240㎡以下であること
■適用を受けるために必要なこと
・長期優良住宅認定通知書又はその写しを貼付して市町村に申告する
2.2: 登録免許税
登録免許税は、不動産の登記を行う際に必要な税金です。
認定長期優良住宅や低炭素住宅に認定されると、登録免許税の税率引き下げという優遇を受けられます。所有権保存登記に係る税率は0.4%から0.1%(一般住宅特例は0.15%)に、所有権移転登記にかかる税率は2.0%から0.2%(一般住宅特例は0.3%)に引き下げられます。
2027年(令和9年)3月31日までに新築・未入居の住宅用家屋を取得した人が対象となっています。
■適用を受けるための主な要件
・その者が主として居住用に活用する家屋であること
・住宅の新築又は取得から1年以内に登記をすること
・床面積が50㎡以上あること
■適用を受けるために必要なこと
・登記を行う際に市町村が発行する住宅用家屋証明が必要
2.3:不動産取得税
また、不動産取得税についても、認定長期優良住宅に認定されると控除額が一般住宅の1,200万円から1,300万円に拡大されます。この軽減措置により、認定長期優良住宅は、最大で39万円(1,300万円×3%)が軽減されることになります。
2026年(令和8年)3月31日までに新築された住宅が対象です。
■適用を受けるための主な要件
・都道府県の条例で定めるところにより申告をすること
・床面積が50㎡以上(一戸建て以外の貸家は40㎡以上)240㎡以下であること
2.4:贈与税
省エネ住宅を購入する際に、親や祖父母から資金援助を受けた場合、贈与税の非課税枠の上限が一般住宅の500万円から1,000万円に拡大されます。
適用期間は2024年(令和6年)1月1日〜2026年(令和8年)12月31日までとなってます。
■適用を受けるための要件
・床面積が50㎡以上
・以下のいずれかに該当すること
①断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上
②耐震等級2以上又は免震建築物
③高齢者等配慮対策等級3以上
3:フラット35
【フラット35】では、2022年10月に【フラット35】Sの省エネ性の基準の見直しが行われています。
【フラット35】SにZEHが創設され、ZEH等の基準に適合する場合には、借入当初5年間は0.5%、6年目から10年目までは0.25%の金利引き下げを受けられます。
2023年4月にはフラット35の融資要件が変更され、省エネ基準への適合が義務化され、以下の省エネ基準に適合していない住宅はフラット35の融資が受けられなくなります。
【フラット35】
・断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上
4:まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は省エネ住宅を購入する際に優遇を受けられる税制についてお伝えしました。
2025年の改正建築物省エネ法に向け、大手の建売住宅は省エネ住宅基準に適合されているため、購入する住宅が省エネ基準に適合しているのかどうかの心配はあまり必要ないかと思います。ただし、これらの制度は申請しないと利用できない場合があるので、不動産会社や建築会社などとよく相談し、利用できる制度は積極的に活用することをおすすめします。
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