ZEHって??省エネ住宅の種類を知ろう!
今、省エネ性の高い住宅に対して、住宅ローン減税などの優遇制度が広がっています。
これからは省エネ住宅がスタンダードの時代となり、基準を満たさない住宅は時代遅れとなってしまう可能性も・・・。
省エネ基準適合が義務化される2025年までにマイホームの購入を考えている人も、省エネ性能の高いマイホームを視野に入れて検討するべきだといえます。
いざ省エネ住宅の購入しようと調べてみた時、「長期優良住宅?ZEHって??」と種類があることに戸惑われる人もいるかと思います。
前回のコラムでは省エネ住宅の基準についてお伝えしましたが、今回は、住宅の省エネ性の違いについて整理をしていきたいと思います。
1.省エネ住宅の種類について
「省エネ住宅」には、さまざまな種類があります。どれも地球環境に配慮し、CO₂の排出削減を目的とした住宅ですが、重視する部分や認定されるための条件は異なります。
今回は、近年注目されている5つの省エネ住宅について紹介します。
1.1:長期優良住宅
長期優良住宅とは長期的に良好な状態で住み続けられることが認められた住宅です。
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて、2009年6月に制定された、国の認定制度です。
長期優良住宅の基準は大きく分けて4つあります。
①長期にわたって使用するための構造・設備を有していること
②居住環境への配慮が行われていること
③一定面積以上の住戸面積を有していること
④維持保全の方法・期間がきちんと決められていること
【メリット】
・安心して長く暮らせる
・税金が優遇される
【デメリット】
・時間とコストがかかる
・認定基準に『維持保全計画』があるため、最低でも10年ごとの点検とそのためのコストがかかる
長期優良住宅は2022年10月以降、断熱性能が4から5へ、一次エネルギー消費量は5から6に上がり、ZEH基準と同等のレベルになります。
1.2:認定低炭素住宅
低炭素住宅とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を減らすための仕組みや設備を導入した住宅のことです。
2012年に「都市の低炭素化の促進に関する法律」(エコまち法)が施行されました。このエコまち法で定められた「低炭素建築物認定制度」の認定を受けた住宅を「認定低炭素住宅」といいます。
低炭素住宅の認定基準には大きく2つあります。
①省エネルギー性に関する基準
②そのほかの低炭素に関する基準
①省エネルギー性に関する基準には「外皮の熱性能に関する基準」と「一次エネルギー消費量に関する基準」とがあり、どちらの基準も満たす必要があります。
②そのほかの低炭素に関する基準は以下9項目のうち1項目以上満たしていればよいとされています。
【エネルギーマネジメント】
1.HEMSを設置している ※1
2.再生可能エネルギーと連携した蓄電池の設置
【節水対策】
3.節水に役立つ機器(便器、水栓など)の設置
4.雨水、井戸水または雑排水の利用のための設備の設置
【ヒートアイランド対策】
5.一定のヒートアイランド対策を行っている
【建造物の低炭素化】
6.住宅の劣化の軽減する措置
7.木造住宅である
8.高炉セメントまたはフライアッシュセメントの使用 ※2
【エネルギーのモビリティ化】
9.V2H充放電設備の設置 ※3
※1 HEMSとは、Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略で、住宅内のエネルギーの需要と供給を数値化し、インターネットで管理して見える化する仕組みです。
※2 高炉セメントとはセメントに高炉スラグを混ぜたものです。フライアッシュセメントとはフライアッシュを混合したセメントのことです。高炉スラグもフライアッシュセメントも鉄を生成する過程や石炭を燃やす過程ででた副産物であるため、環境負荷の小さなセメントです。
※3 V2H充放電設備とは、電気自動車への充電、または電気自動車からの放電ができる設備のことです。
長期優良住宅が長期にわたって良好な状態を保つ住宅であるのに対し、認定低炭素住宅は、省エネに特化しているのが特長です。
【メリット】
・税金が優遇される
・容積率が緩和される
・エネルギー効率が良いため、維持費が軽減される
【デメリット】
・認定基準を満たすための設備や申請が必要なため、コストと手間がかかる
・市街化調整区域では認定申請できない
1.3:スマートハウス
スマートハウスとは、太陽光発電で電気をつくり、蓄電池に電気をためて、IT技術の利用によって電気を賢く使う省エネ住宅のことです。
スマートハウスに導入する設備は、太陽光発電システム、リチウムイオン蓄電池システム、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機、省エネ家電、そしてエネルギー消費を管理するHEMS などがあります。
【メリット】
・電気代を削減できる
・余剰電力は買取してもらえる
【デメリット】
・初期費用・対応端末が高額
・定期メンテナンスのコストがかかる
1.4:ZEH
近年最も注目度が高い省エネ住宅が、ZEH住宅です。2022年4月に「住宅ローン減税」の大幅な見直しがあり、10月には【フラット35】SにZEHが創設されました。
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。2050年脱炭素社会の実現を目指すため政府によって発足された、省エネ住宅の新しい評価基準です。
ZEH住宅とは、高断熱・高気密の外皮と高省エネ性能を持つ設備を導入し、家庭で使用するエネルギー量を抑えながら、太陽光発電などの創エネ設備を利用することで、実質的にエネルギーコストゼロの住宅を実現するものです。
ZEH基準は、家を建てる地域や建築条件により「Nearly ZEH」や「ZEH+」などがあります。
スマートハウスが「自家発電で得た電力を、家庭内で賢く効率的に使う」であるのに対して、ZEH住宅は「年間の一次エネルギー消費量を概ねゼロにする住宅」ことが目的です。
【メリット】
・電気代を削減できる
・蓄電できる
・断熱性の高さからヒートショックを軽減できる
【デメリット】
・天候によっては発電量が不安定
・設備投資費用がかかる
・定期メンテナンスのコストがかかる
1.5:LCCM住宅
LCCMは「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」の略です。
ZEHが暮らしのエネルギーに着目しているのに対し、LCCM住宅では建築や廃棄も含めた住宅のライフサイクル全体での、CO2の収支マイナスを目指している点に違いがあります。LCCM住宅は、ZEHを超える、環境に配慮した高基準の住宅です。
LCCM住宅は「省エネ」「創エネ」だけではなく「長寿命」住宅であることがポイントです。
LCCM住宅はZEH住宅と同様、年間の一次エネルギー消費量を概ねゼロにする概念ですが、条件はZEHに加え、太陽光発電パネルが8kw〜9kwの容量を必要としたりUA値が0.5以下だったりと、さらに厳しい基準となっています。
【メリット】
・電気代を削減できる
・国産材の使用を推奨することで、日本の森林や林業を守るという社会貢献につながる
【デメリット】
・希望するLCCM住宅に対応できない可能性がある
2.まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、5つの省エネ住宅をご紹介しました!
それぞれ基準に適合させるための資材や設備が必要となり、その分の建築コストがあがりますが、省エネ住宅は、一年を通して過ごしやすく、光熱費の削減でき、健康面にも期待ができ、人にも環境にも優しい住宅です。メリット・デメリットを踏まえてマイホームを購入する際の参考になれば幸いです。
省エネ住宅を検討するうえでコスト面にネックを感じる人もいると思いますが、省エネ住宅は住宅ローンの優遇や、国や自治体の補助金制度を受けられる場合があります。次回は省エネ住宅を購入する際の補助金や減税制度についてご紹介していきたいと思います。
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