後悔する?デメリットだらけ!?旗竿地のメリットは?
マイホーム探しをする中で『旗竿地(はたざおち)』というワードを目にしたことはありませんか?
検索してみると『後悔』や『やめておけ』というようなマイナスイメージのワードが見受けられますが、一体どのような土地なのか。旗竿地はデメリットばかりなのでしょうか?
今回は「旗竿地」のメリット・デメリットについてお伝えしていきます!
1:旗竿地(はたざおち)とは
旗竿地とは竿に旗がついたような形の土地のことをいいます。
道路に接する部分が狭い路地のようになっており、その奥に建築可能な敷地があります。
「旗竿地」以外にも「敷地延長(敷延)」や「路地状敷地」と言われることも。正方形や長方形に整えられた土地を『整形地』と呼ぶのに対し、旗竿地や三角形地などは『不整形地』と呼ばれる土地に分類されます。
建築基準法では、旗竿地は公道に接する敷地の幅員が2メートル以上なければ建築不可であると定められています。自治体によっては、独自の条例でさらに規制している場合もあるので確認が必要です。
2:旗竿地のメリット・デメリット
マイホームを建てるには不便そうなイメージの旗竿地ですが、メリットはないのでしょうか?
ここでは旗竿地のメリット・デメリットについて見ていきたいと思います。
2.1:旗竿地のメリット
■価格が安い
旗竿地は整形地と比べると坪単価が安く設定されていることが多いです。理由として、旗竿地は公道からのアクセスが不便なことや、周囲がすべて隣家に囲まれていることなどが挙げられます。
また、整形地と比べると、建物を建てるために使えない面積があるため土地の評価は低く、価値は下がります。土地の評価が低いと固定資産税も安くなります。
■騒音や事故の心配が少ない
旗竿地は道路に面しているのが路地状部分の間口部分だけのため、奥まった敷地に家があるので家のそばを通る車の騒音や、人の視線が気にならず、比較的静かな環境で暮らせます。
また、小さなお子様がいる場合、玄関を出てすぐ道路に面していないのでお子様の急な飛び出しによる事故のリスクを軽減できます。
■路上部分を活かす
旗竿地の「竿」の部分にあたる敷地延長部分は様々な使い方ができます。
建売住宅の場合、縦列駐車の駐車場として活用する場合が多いです。
注文住宅の場合、土地の形状ならではの家を建てることも可能です。間口に門を設置し、路上部分を庭として活用したり、間口から玄関までアーチやアプローチを作りガーデニングを楽しんだりすることもできます。奥まった敷地だからこそプライベート空間を楽しめる家づくりが可能です!
2.2:旗竿地のデメリット
■建築コストがかかる
旗竿地に建築する場合、路上部分が狭すぎると必要な重機が入れず建築コストがかかってしまう場合があります。また、ガスや電気などのインフラ整備が通っていない場合もあります。自己負担でインフラ整備をする必要があるのか必ず確認しましょう。
■路上部分に駐車する場合は車種が限定される
マイホームを建てるなら駐車場は敷地内に作りたい人が多いかと思います。旗竿地の場合、建築基準法で公道に接する敷地の幅員は2メートル以上と決まっていますが、2メートルだと軽自動車だとしても乗り降りがやっと。人や自転車が通ることも想定すると幅員は3メートルはほしいところです。
■日当たりや風通しが悪い
旗竿地は、家に接する周囲がすべて建物に囲まれるケースが多いです。そのため、日当たりや風通しが悪いことも。注文住宅の場合、中庭や天窓を採用したり、2階をリビングにするなど設計や間取りの工夫次第で解決できます。
建売住宅の場合、あらかじめ間取りや設計が決まっているため簡単には変更できません。
しかし、以前『市街化調整区域』についてのコラムでお伝えしたとおり、市街化調整区域の建売分譲住宅の場合、市街化区域に比べて土地が広いことが多いです。市街化調整区域を宅地として開発する場合、杉戸町では最低敷地面積は300㎡以上と定められているため、市街化調整区域であれば旗竿地の区画であっても十分な広さがあり、日当たりや風通しの心配が必要ありません。
■隣家とのトラブルになりやすい
旗竿地では隣地の家との距離が非常に近いことが多いため、お互いの生活音が聞こえやすい傾向にあります。特にお子様がいるご家庭や、犬を飼っている、友人を自宅によく招く人は注意が必要です。
騒音対策として、日当たり・風通しの観点でもお伝えした、2階部分にリビングを配置するというのも有効です。生活のメインスペースであるLDKが1階部分にある家が多いので、LDKを2階にすることによって、周囲との生活音を空間的にずらすことができます。
3:後悔しないためには?旗竿地を購入する際の注意点
ここでは後悔しないための注意点をお伝えしていきます。
■路地の幅員
旗竿地の購入を検討する際には路地の幅員は必ず確認が必要です。
上記でもお伝えした通り、建築基準法では住宅を建築する場合、路地の幅員が2メートル以上必要とされています。
■再建築不可
再建築不可の条件がある場合、新たに家を建てることができません。
再建築不可となる理由として、建築基準法により接道義務が定められていて、災害時に避難路を確保できない場所や、緊急時に緊急車両が入れない場所に住宅を建築しないようにするためです。
ただし、「建築基準法」ができる前に建てられた住宅があるので、基準を満たさない再建築不可の物件も存在します。再建築不可の中古物件の場合、基本的には増築や改築、立て直しができないので注意が必要です。
■将来的な使い道
また、旗竿地の購入を検討している人は、土地の将来的な使い道を考えておくと、安心して購入へのステップを踏めるのではないでしょうか。以前、『優先順位を付けて家を買おう!』のコラムでもお伝えしましたが、マイホームを購入すると、その住宅や土地は資産となります。将来的に売却も一つの選択肢ですが、旗竿地は土地条件の悪さから、整形地に比べて売れにくく、価格面が不利だと言えます。
売却以外にも、旗竿地に建てた建物を賃貸として貸し出したり、駐車場として活用したりするなど、さまざまな選択肢があります。のちに土地を購入したことを後悔しないよう、将来のことも考えて旗竿地を選んでみてはいかがでしょうか。
4:まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は旗竿地のメリット・デメリットについてお伝えしました。
デメリットに目が行きがちな旗竿地ですが、旗竿地は比較的安い価格で購入できるほか、路上部分の使い方次第でプライベート感を楽しめるといったメリットがあります。
整形地にはないデメリットがありますが、間取りや設計の工夫で解決できる場合もあります。マイホームの購入を検討する際、最初から旗竿地を除外してしまうのはもったいないのかもしれません。
メリット・デメリットをよく把握してうえで、メリットが多いと感じたら旗竿地でも購入の選択肢の一つとして検討してみてください!