アルバイトでも住宅ローンは組める?
アルバイトやパートなど非正規雇用の場合でも「住宅ローンは組めるかな?」と疑問をもっている方もいらっしゃるかと思います。
非正規雇用の場合、住宅ローンの審査が通りにくいといわれていますが、審査を通過する方法はないのでしょうか?
今回は、アルバイトやパートといった雇用形態で仕事をする人の審査事情やローンを組みやすくする方法についてお伝えします。
目次
1:アルバイトやパートでも住宅ローンは組める?
結論から言うと、アルバイトやパートなど非正規雇用で働いている人でも、マイホームの夢を実現できる可能性はあります。ただし、正社員など正規雇用の人に比べると、住宅ローンを通すことは難しい傾向にあるようです。
1.1:アルバイトやパートの雇用形態での住宅購入が難しい理由
多くの場合、家を買うためには住宅ローンを利用してお金を借りることになります。住宅ローンは、車のローンなどと異なり、2〜3年で返済が終わるようなものではありません。たとえ、収入が正社員よりも多い場合でも、リストラや勤続年数の上限が設けられている可能性がある非正規雇用は金融機関側に「収入の安定性」「雇用が安定している」と判断されにくいため、住宅ローンの審査が不利になってしまいます。
2:住宅ローンの審査はどんなことを審査する?
住宅ローンの審査について、以前「住宅ローンの審査のチェックポイント」でご紹介しているのでここではざっくりみていきましょう。
2.1:住宅ローン審査でチェックされるポイント
明確な審査基準は公開されていませんが、「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」(国土交通省)によると、次のような項目があげられています。
・年齢
・健康状態
・勤続年数
・年収
・個人の信用情報
・雇用形態
2.2:雇用や収入が不安定な場合は通過しにくくなる
審査基準は公開されていませんが、一般的に審査に通りにくくなる条件というのは存在します。たとえば次のような条件です。
・非正規雇用や自営業
・収入が低い
・勤続年数が短い
・希望する借入金額が大きい
・多額のローンを抱えている
・過去にクレジットカードの支払いやローンの返済に遅れたことがある
・任意整理や自己破産などをしたことがある
これらの条件にあてはまる場合は「もしかしたらきちんと返済してくれないのでは」と判断されてしまう可能性があるためです。
住宅ローンを組むうえでは、正社員として長年勤務していて今後も安定的な収入が望めそうであり、なおかつ、お金にルーズではない人が有利と言えるでしょう。
ただ、不利な条件にあてはまるからといって絶対にNGというわけではありません。
3:アルバイトでも審査に通りやすくなる方法はある?
アルバイトやパートといった雇用形態で住宅ローンを組むことが難しい場合は、正社員へ切り替わることで住宅ローンが組みやすくなるかもしれません。
その一方で、様々な事情で正社員になることが難しい場合もあると思います。
非正規雇用のままでも住宅ローンを組みやすくするには、たとえば次のような方法があります。
3.1:頭金をできるだけ貯める
頭金は、契約の最初に支払うまとまったお金です。頭金を多く用意できていれば、その分借入額を減らせます。借入額を減らすことで毎月の返済額を減らすこともできますし、返済期間を短く設定することもできます。
上記でお伝えした審査のチェックポイント以外に、金融機関が重要視しているものがあります。
それは「返済負担率」です。返済負担率は無理なく住宅ローンを返済するための指標です。
返済負担率が高い場合、返済能力にリスクがあると判断される可能性があります。
そのため、頭金を多く用意することができれば、借入金額をおさえることができ、ローン審査に通る可能性も出てきます。
ただし、持っている貯金のほとんどを住宅購入の頭金に回してしまうのは危険です。今後のライフイベントに必要な費用についても、しっかりと考えた上で、頭金に回しましょう。
目安として、頭金は希望する物件価格の2割が一般的と言われています。まずはそこを目標に貯めるようにしましょう。
3.2:自分の信用情報に傷が付かないように気を付ける
信用情報とは、今までのクレジットカード、キャッシング、ローンなどの申し込み履歴や利用状況などのことです。
各金融機関は、これらの情報を「信用情報機関」を通して共有しています。そのため、他社での借入が多すぎる場合や返済が滞った履歴はすぐに判明し、ローン審査に通りにくくなってしまいます。
また、クレジットカードに関して事故を起こしていなくても、キャッシング枠が設定されていると審査に不利になることがあります。
クレジットカードを作ったときに、何気なく設定したキャッシング枠を今までキャッシングを利用したことがない場合でも、金融機関は審査にあたって「今後キャッシングを利用する可能性もある」と判断されてしまうことも。
住宅ローンを借りる前に、キャッシング枠が設定されているかどうかも確認しておきましょう。
そのほか、見落としがちなのがスマホの分割払い(割賦払い)です。何回か滞納してしまい信用情報に傷がついてしまうケースもあるので注意が必要です。
一般的なことですが、支払いに遅れないようにする、借りたお金は期日通りに返す、お金を借りすぎないよう気を付ける、といったことを徹底しておきましょう。
3.3:「フラット35」なら住宅ローンを利用できる可能性も!
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱う長期固定金利の住宅ローンです。
民間の金融機関に比べるとフラット35の審査は通りやすいと言われています。
民間住宅ローンでは勤続年数や雇用形態、年収などそれぞれに審査基準が設けられていますが、フラット35では年収の基準を満たしていれば雇用形態にかかわらず申し込むことができます。
そのため、アルバイトやパートといった雇用形態でも、しっかりとした収入があれば、利用できる可能性があります。
ただし、フラット35が利用できる物件には条件があるという点には注意が必要です。
フラット35では個人の審査こそ厳しく見られませんが、物件に関しては「住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たす住宅」でないとローンの借り入れが厳しくなってしまう恐れがあります。
詳しくは『フラット35に向いてる人はどんな人?徹底解剖!』のコラムにてご紹介しているのでこちらを参考にしてください。
4:まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、アルバイトやパートで仕事をする人の審査事情やローンを組みやすくする方法についてお伝えしました。
非正規雇用だからといって、マイホームの購入は不可能ではありません。
国土交通省による「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」では雇用形態を重視する金融機関はここ数年減少傾向にあります。
それでも、70%以上の金融機関は雇用形態を重視しているため、正社員の人に比べると、住宅ローンの審査のハードルは高くなりがちです。
こつこつ貯蓄に励んだり、借りたお金をきちんと返したり、できることから実践してマイホームの夢に着実に近づけるようにしましょう。