ポータルサイトなどで新築の戸建や土地を探していると、物件情報の中に『用途地域』という言葉を目にすることがあると思います。土地によっては建てられるものが制限されているエリアがあります。

今回は用途地域についてお伝えしていきたいと思います。

杉戸町はどのような用途地域に分類されているのか？用途地域を理解すれば気になる土地にはどんな特徴があるのかが見えてきます！

1：用途地域とは

気に入った土地に自由に建物を建ててしまった場合、「高さを無視して家を建てたら一日中、隣の家が日陰になってしまった！」、「工場と学校が隣り合ってる・・・」など、なんだか住みにくい街になってしまいますよね。

用途地域は都市計画法によって建築できる建物の種類や土地の用途について決められているエリアのことをいいます。

「住居系」、「商業系」、「工業系」と用途地域は大きく3つに分けられ、さらに13種類のエリアに分類されています。

その13種類はそれぞれ「店舗は建てられない」「住宅は建てられない」など細かな制限が決められているのです。

用途地域により、住みやすいエリア、便利なエリア、働くエリアを決めることで、さまざまな用途が混在してしまうことを防ぐ目的で制定されています。

2：13地域

杉戸町では市街地では第一種中高層住居専用地域や第一種住居専用地域に指定されている地域が多いです。駅の付近だと近隣商業地域が指定されています。

13地域にはそれぞれどんな特徴があるのか見ていきましょう。

2.1：第一種低層住居専用地域

第一種低層住居専用地域とは、建物の高さが10m、または12mに制限されている低層住居、主に戸建が多いエリアです。

マンションも建築可能なエリアですが、高さ制限があるため、3階建てくらいの高さの建物しか建てられません。

用途地域で一番厳しい制限を受けているため、敷地が広く2階建ての戸建が並ぶ閑静な住宅街となっていることが多いです。

2.2：第二種低層住居専用地域

第二種低層住宅専用地域とは、第一種低層住居専用地域と同様、住居の高さが10m、または12mに制限されている低層住居の多いエリアです。

ただし、床面積150㎡以内の2階建までの店舗や飲食店（コンビニエンスストアなど）が建てられるという違いがあります。

閑静な住宅街でありつつ、コンビニや飲食店がある少し利便性のいいエリアです。

2.3：第一種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域とは、低層住宅専用地域のような高さ制限がなくなるため、マンションを中心とした中高層住宅に、アパートや2階・3階建ての戸建・店舗（スーパーマーケット）などが入り混じっているエリアです。

混在していますが、住居専用地域のため、日当たりや日陰などの建築規制が厳しく、建物が密集することなくオフィスビルは建てられません。

低層住宅専用地域より色々な施設が増えるため、より利便性が高くなります。

杉戸町では高野台エリアや杉戸5丁目などが該当します。

2.4：第二種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域とは、第一種中高層住居専用地域と同様にマンションを中心とした中高層住宅が多いエリアとなっていますが、1500㎡までの店舗・飲食店・オフィスビル・ガソリンスタンドなどが建てられるという点で、第一種中高層住居専用地域よりさらに、日常生活に必要とされる利便施設の立地が認められている地域となっています。

また、第一種中高層住居専用地域と同様に住居専用地域のため、日当たりや日陰などの制限が厳しくなっているため、建物が密集することがないエリアです。

杉戸町では内田1丁目や倉松5丁目などが該当します。

2.5：第一種住居専用地域

第一種住居地域とは、上記の住居専用地域とは異なり、住宅の環境を守りつつも施設の条件が大幅に緩和されているエリアです。

昔からある比較的道が狭い街の住宅街に指定されたり、中高層住居専用地域の周辺の場合は主要道路沿いに指定される場合が多いです。

また、住居専用の地域ではないため、制限の内容が緩やかで戸建やマンションが密集したエリアになるケースが多いです。

しかし、パチンコ屋やカラオケボックスなど遊戯施設は建てられません。

杉戸町では杉戸1丁目・4丁目や内田2丁目、清地4丁目などが該当します。

2.6：第二種住居専用地域

第二種住居地域とは、さらに施設の条件が緩和されて、ボーリング場やパチンコ屋といった施設と住居が混在するエリアです。

第一種住居専用地域と同様、住居専用の地域ではないため、各種制限の内容が厳しくなく、戸建やマンションが密集したエリアとなるケースが多い。

第一種住居専用地域との違いは、パチンコ屋やカラオケボックスなどの遊戯施設を建てることができます。

2.7：田園住居地域

田園住居地域とは、第一種低層住居専用地域に似ていますが、農地と住居が混在するという違いがあるエリアです。

2018年4月に13番目の地域として新しく追加された用途地域です。都市部において宅地化されず残っている貴重な農地を今後も保全するための地域といえます。

田園住居地域の建築規制は、第一種低層住居専用地域と同じですが、農地を宅地に変更する場合、各市町村長の許可が必要になります。

また、田園住居地域の大きな特徴は、床面積500㎡以内の2階建までの農業用施設が建てられる点です。

2.8：準住居地域

準住居地域とは、国道や幹線道路沿いで、高層マンションが多く建ち並んでいるエリアです。自動車修理工場や劇場、映画館などの建設も可能になります。

住居専用地域ではないため、日当たりや日影などの制限が厳しくないのでマンションも多いエリアです。

第二種住居専用地域と似ていますが、準住居地域は150㎡までの自動車修理工場が建てられる点が異なります。

2.9：近隣商業地域

近隣商業地域とは、準住居地域よりも施設への制限がさらに緩和されるため、多くの施設が建ち並ぶエリアです。

駅の周辺や商店街、商業地域周辺の国道や県道などの幹線道路沿いに指定されることが多く、近隣の住宅地に住む人が利用することを考え、スーパーや娯楽施設が立地する地域となっています。

工場も危険性が低く環境悪化の恐れのないものであれば、面積が150m2以内であることを条件に建築が認められている地域です。

住居専用地域ではないため、高さ制限や日影などの制限は厳しくありませんが、用途制限として風俗店はNGとなっています。

オフィス街ではなく、住宅地の近隣にあって、主に日用品販売系の店舗が集まっているところに特徴があります。

杉戸町の最寄り駅でもある「東武動物公園駅」「杉戸高野台駅」の周辺は近隣商業地域に指定されています。

2.10：商業地域

商業地域とは、近隣商業地域よりも施設への制限がさらに緩和されて、大型店舗や商業ビル、オフィスビルに加え、高層タワーマンションなどが混在するエリアです。

商業地域のため、150㎡を超える工場は建てられませんが、近隣商業地域と違い日影規制がないため、風俗施設や小規模の工場の建設も認められるエリアでもあります。

2.11：準工業地域

準工業地域とは、小規模の工場と住宅や店舗が混在している何でもありなエリアです。危険性の高い、住環境に悪影響を与える工場は除かれているため、居住環境が悪いわけではありません。

建てることができる用途の種類は多いですが、日当たりや日影などの制限が厳しく、小規模〜中規模の様々な用途の建物が密集したエリアになっています。

用途制限が商業地域と似ていますが、商業地域と比べると150㎡以上の工場を建てることができますが、個室付き浴場は建てることができません。

2.12：工業地域

工業地域とは、準工業地域に設けられていた工場の制限がなくなるため、準工業地域よりも工場の規模が大きくなるのが特徴のエリアです。

住宅や店舗も建てられますが、工業地域は工場を建てるために指定された地域のため、騒音や粉じんなどの影響がある可能性があるため、あまり住環境は向かないエリアです。

また、工業地域には学校や病院を建てることができません。

2.13：工業専用地域

工業専用地域とは、どのような工場の建設も可能なエリアです。工場の制限がなくなる一方、全ての住宅の建設が認められていません。

3：用途地域の調べ方

用途地域を知ることでおおよその周辺環境を知ることができます。気になるエリアがどの用途地域にあたるのかを調べるのはそれほど難しくありません。

インターネットの検索エンジンで調べたい市町村と「用途地域」または「都市計画図」と検索すると市町村のホームページから閲覧できます。

インターネットでみてもよくわからないという方は、各自治体の都市計画課などの窓口で問合せることが可能です。

杉戸町の都市計画図もホームページから閲覧可能です。用途地域は色分けで表示されており、白色で表示されている場合は「用途地域がない」という意味です。

4：まとめ

いかがだったでしょうか。

マイホーム探しをしているなかで、何気なく目にする「用途地域」。

用途地域を知ることで、気になるエリアの特徴がみえてきます。

土地の使い道を制限することはマイナスに思いがちですが、用途を制限することにより街の景観を守ることや住みやすい街を実現できます。

マイホームを購入を検討されている方は用途地域を事前に確認しておくことで、土地の特徴を知り、理想のマイホームと出会えるでしょう！