意外と知らない!?団信とは?
住宅ローンについて調べたり相談したりする際に、「団信」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
正式には「団体信用生命保険」といい、省略して「団信」と呼ばれることが多いです。住宅を購入するとき、多くの人が住宅ローンを契約すると思います。その際、多くの場合で、団体信用生命保険への加入が住宅ローン契約の前提条件となっています。
今回の記事では、この団体信用生命保険について、基本的な仕組みや注意すべきポイントについてお伝えしていきます。
目次
1:住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険(団信)とは
多くの人が住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険ですが、内容がよくわからない人もいるのではないでしょうか。まずは、団体信用生命保険の基本について見ていきましょう。
1.1:団体信用生命保険(団信)とは
団体信用生命保険(以下、団信)とは、住宅ローンを契約している人が死亡または高度障害状態になった場合、その保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。完済された後は、住宅ローンの返済が不要になります。
民間金融機関の住宅ローンでは団信への加入を義務付けられていることが一般的ですが、フラット35では加入は任意となっています。
1.2:団信と一般的な生命保険の違い
団信は、その名のとおり「生命保険」の一種です。保険会社が取り扱う団信以外の死亡保険を「一般的な生命保険」として、団信と比較しながら違いを見てみましょう。
① 保険料の負担
【一般的な生命保険の場合】
保障内容に応じた保険料を保険契約者が負担します。
【団信の場合】
通常の団信の保険料が住宅ローンの金利の中に含まれており、金融機関が支払うケースがほとんどです。
ただし、三大疾病・八大疾病の特約が付いた団信の大半は、追加で保険料を支払わなければなりません。金利に上乗せする形で支払うものが一般的で、0.1〜0.3%程度、上乗せされるものが多いです。
② 年齢別の保険料
【一般的な生命保険の場合】
保険契約者の年齢や性別によって保険料が変わってきます。
【団信の場合】
年齢や男女別による保険料の違いはありません。保険料は借入金額や保障内容次第で変わります。
③ 保険金の受取人
一般の生命保険と団信の大きな違いは保険金の受取人です。
【一般的な生命保険の場合】
契約者が指定した配偶者や子供などの法定相続人が受取人となります。
【団信の場合】
住宅ローンを融資している金融機関になります。金融機関は受け取った保険金で住宅ローンの残債を全額返済するので、住宅ローンの契約者やその家族のその後の返済が不要になります。
④ 保障期間
【一般的な生命保険の場合】
保険契約者があらかじめ選択した保障期間(保険期間)となります。中途解約をしない限り、終身保険であれば保障は一生涯、定期保険であれば定められた期間で保障は終了します。
【団信の場合】
住宅ローンの返済期間であり、借入日から完済日までです。返済中に繰上返済をして返済期間が短くなった場合も同様に連動します。
ただし、保険料(特約料)の支払いをもって保障が開始されるタイプや、返済期間中でも一定の年齢で保障が終了するタイプの団信もありますので、注意が必要です。
⑤ 生命保険料控除
団信は生命保険の一種ではありますが、確定申告の際に控除となる「生命保険料」には適用されません。
1.3:団信の告知審査
団信には誰でも加入できるわけではなく、健康上の理由で加入を断られる場合があります。
万が一の際に、住宅ローンを保険会社が引き受けるため、病気や身体の状態を告知して加入審査を受ける必要があります。
保険会社によって告知書は異なりますが、一般的な質問事項は以下のような内容です。
1.最近3ヶ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか。
2.過去3年以内に以下に該当する病気で手術を受けたこと、または2週間以上にわたって医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか。
3. 手・足の欠損または機能に障害がありますか。または脊骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか。
上記の病気は一例ですが、たとえ軽微な状態であったり、現在は完治している状態であったりしても、該当する病気があれば必ず告知書に記載するようにしましょう。
1.4:団信に入れない可能性のある病気は?
団信への加入の可否は保険会社によって判断されますが、審査基準は公開されていません。
一般的には告知書に記載されている傷病や障害(ガン、脳卒中、精神疾患など)で治療中や、現在病気の治療中で入院・手術を控えている、またはすでに入院中、再検査や精密検査の必要性を指摘されているにも関わらず、病院へ行っていないなどの場合、団信に加入できない可能性があります。
2:主な団信の種類と保障内容
近年は、医療の進歩とともにさまざまな病気が「治る」時代になってきました。このような背景から、団信には幅広い保障内容の商品が登場しているので、それぞれを比較してご自身に合った団信を利用できる住宅ローンを選択できると良いでしょう。
2.1:一般団信
一般的な団信は、特約なしの場合、契約者が死亡もしくは高度障害状態になったときに保険金が支払われるものです。高度障害状態とは保険会社が指定する所定の状態をいい、例えば両目の視力を失い回復の見込みがない場合は高度障害状態と認定される場合があります。
団信の年齢制限は、基本的に住宅ローンの年齢制限と同じです。住宅ローンの完済年齢が80歳までとしている金融機関が多いため、35年ローンを組む場合は遅くとも45歳までに加入が望ましいです。
以前、住宅ローンに関する様々な平均値についてご紹介しているので、こちらのコラムも参考にしてみてください。
2.2:3大疾病保障付き団信
団信の代表的な特約である、3大疾病保障付き団信は特約なしの団信に加えて、住宅ローンの契約者が『ガン、脳卒中、急性心筋梗塞』のいずれかを発症し、所定の状態に該当した場合に保険金が支払われます。
ただし、一般団信より加入条件が厳しい傾向にありますので注意が必要です。
例えば、りそな銀行の場合、「借入時の年齢が満50歳未満の方」といった年齢制限等がかかってきます。
2.3:8大疾病保障付き団信
3大疾病に加えて『高血圧症、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全、慢性膵炎』といった生活習慣病を含む8つの病気のいずれかを発症し、就業不能状態になって住宅ローンの返済ができない状態が一定期間を超えて続いた場合に保険金が支払われる可能性があります。保障範囲が広い分、上乗せ金利も高くなる傾向がありますが、一般の生命保険ではカバーされない住宅ローン残高を保障する特徴があります。金融機関によって対象となる病気や条件は商品によって異なります。
3大疾病保障付き団信と同様に、加入条件が厳しい傾向にありますので確認が必要です。
2.4.健康状態に不安があるなら「ワイド団信」
ワイド団信は一般団信よりも加入条件を緩和した団信です。
健康状態や過去の病歴で通常の団信に加入できなかった場合でも、ワイド団信なら加入できる可能性があります。
3:団信に加入するときの注意点
続いて、団信を比較するときや加入するときの注意点について確認しましょう。
3.1:健康状態によっては加入できない
上記でお伝えした通り、団信に加入する際は健康状態を告知する必要があります。健康状態や持病によっては団信に加入できない可能性があるので注意が必要です。
住宅ローン利用ための必須の条件として団信への加入が求められている場合は、住宅ローン自体利用できないこととなります。
もし、団信に加入できない場合、団信への加入が必須の条件ではないフラット35を利用する選択肢があります。
ただし、不測の事態が起こった場合、ご家族に住宅ローンの債務が残ってしまいます。
万が一、そのような状態に陥った場合でも、対処できるよう貯蓄や生命保険への加入などの備えをしましょう。
3.2:団体信用生命保険の保険料が支払われない場合もある
団信以外の生命保険でも同じことがいえますが、死亡・高度障害状態に該当すればいつでも保険金が支払われるというわけではなく、細かい条件が定められています。
金融機関や商品により異なりますが、一般的には
・契約後、短期間で自殺した場合
・加入時の告知内容に誤りがあった場合
・加入前の疾病や事故が原因の場合
・故意によって高度障害状態になった場合
などがあるので団信の契約書類などで詳細を確認しておきましょう。
3.3:団信の契約内容は加入後には変更できない
一般的に団信においては、加入後に特約の解除や追加など、契約内容の変更はできません。保障内容がご自身に合っているか、過不足がないかなど団信加入時に十分検討しておきましょう。
3.4:借換時には新たに団信への加入が必要
住宅ローンの借換えを行う場合、これまで契約していた住宅ローンに付帯していた団信の借換えと同時に終了しますので、借換先の金融機関で新たな団信に加入することになります。借換えを契機に特約内容を見直す人も珍しくないようです。
借換時に注意しておきたいことは、借換先の金融機関が団信加入を条件としている場合、契約者の健康状態によっては新たな団信への加入ができないケースもあります。この場合は住宅ローンの借換自体ができないので注意が必要です。
3.5:解約後に再加入はできない
原則として、特約付団信は一旦解約してしまうと再加入することはできません。
4:まとめ
いかがだったでしょうか?
団信は、住宅ローンの契約者に万が一のことがあったときに、家族や家を守ることができる保険です。多様化している団信ですが、保障内容が十分かどうか、保険金が支払われやすい条件かどうかなど、ご自身に合ったプランを選ぶことが大切です。
健康面に不安を抱えている方でも、病気の状態が軽度であったり、病歴が10年以上前であったりするなど、状況によっては加入できる方もいます。
もし、団信に落ちてしまった場合でも、金融機関を変えて審査基準の異なる別の保険会社の団信に申込をする、または、団信の加入が必須ではない「フラット35」を利用する選択肢もあります。
ぜひ一度フレンドホームにご相談いただければと思います。
他社様で住宅ローンを組めなかった方もフレンドホーム売買センター(0120-864-863)まで是非お気軽にご相談下さい!