マイホーム購入 vs 賃貸:どっちが得か?徹底比較!
賃貸アパートにお住まいの方の中には、「そろそろマイホームを購入しようかな…」と考えている方は多いと思います。
そこで気になるのは「賃貸に住み続けることと、マイホームを購入することでは、結局どちらが得なのか?」という点です。
マイホームの購入は高額なため、なかなか踏み出せずにいる方もいらっしゃるでしょう。しかし、家賃を支払い続けることによるコストも小さくはありません。
そこで今回は、「マイホーム購入」と「賃貸」のメリット・デメリットを比較しながらどちらがお得なのかお伝えしていきたいと思います。
1:メリット・デメリット
マイホームの購入と賃貸、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらが正解というわけではなく、ご自身のライフスタイルや将来設計に合っているかどうかが大切です。
1.1:マイホーム購入
■メリット
①資産になる
マイホーム購入の大きなメリットとしてマイホームを購入すると「自分の資産」になる点です。賃貸と違い、住宅ローンの支払いが終わってしまえば、毎月の住居費を大きく軽減することができます。
また、市場価値のあるエリアであれば、「売却」や「賃貸」に活用することもでき、将来的な資産形成や収入源としても期待できます。
②自由にカスタマイズできる
賃貸の場合、「壁に穴を開けてはいけない」など制約がありますが、持ち家の場合、自由にDIYができ自分好みに住まいをカスタマイズできます。
お子様がいるご家庭では、成長に応じて子ども部屋のレイアウトを変えたり、収納を増やしたりと、柔軟に対応できます。
また、将来的にワークスペースや趣味の部屋を作るなど、ライフスタイルの変化に合わせた空間づくりが可能です。
③安心感
住宅ローンの支払いが終わっていれば、老後に住居費を支払い続けなくても良いという安心感があります。
また、お子様がいるご家庭では持ち家であれば、転校の心配が少なく、同じ環境で落ち着いて成長できるというメリットがあります。
■デメリット
①簡単には引っ越しができない
賃貸とは違い、マイホームを購入すると簡単には引っ越しができないというデメリットがあります。予想外の転勤や転職などでマイホームからの通勤が難しくなってしまった場合、単身赴任という選択を迫られるケースもあります。
また、親の介護が必要になったとき自宅から実家へ通うことが難しい場合もあります。
賃貸であれば、親の近くに住み替えるといった柔軟な対応がしやすいですが、持ち家ではその選択は難しく、時間的にも金銭的にも大きな負担になってしまうことがあります。
②メンテナンスは自分で行う
設備や内外装のメンテナンスが必要となった場合、業者選定から見積り、打合せなどすべて自分で手配しなければなりません。
特に戸建の場合は、外壁や屋根、庭の手入れなど定期的なメンテナンスが必要となります。
③固定資産税等の費用がかかる
持ち家の場合、自分の資産として、固定資産税や都市計画税などの税金を毎年支払う義務があります。所有している限りずっと続いていく費用です。
さらに、マンションの場合には、修繕積立金や管理費といった毎月のランニングコストも発生します。
1.2:賃貸
■メリット
①自由に引っ越しができる
賃貸に住む最大のメリットは自由に引っ越しすることができ、フットワークが軽い点です。ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住み替えが可能です。
②設備などの修繕費用の負担が少ない
持ち家と違い、賃貸では通常、給湯器などの付帯設備に不具合が生じた場合、修繕費用は大家さんが負担します。また、災害によって建物が損傷した場合も、基本的には大家さんが修繕を行います。
③固定資産税等がかからない
賃貸の場合、基本的に家賃や共益費、更新料といった費用のみの支払いで済みます。持ち家と違って、固定資産税や都市計画税といった税金の支払い義務は発生しません。
■デメリット
①家賃を払い続けていかなければいけない
賃貸の最大のデメリットは、住み続ける限り家賃の支払いも続くという点です。住宅ローンと違い「支払いが終わる」ということがないため、長期的に大きな出費になる可能性があります。
②自由にカスタマイズできない
持ち家と違い、勝手に壁紙を変えたり、設備を交換したりといった自由なカスタマイズはできません。DIYが許されている物件もありますが、退去時には原則として借りる前の状態に戻す「原状回復」の義務があります。
③高齢になると入居審査が厳しくなる
高齢になると賃貸物件の入居審査が通りにくくなると言われています。その背景には、家賃を安定して払っていけるかどうかといった金銭面の不安や、物件内での事故や孤独死など健康面のリスクが挙げられます。
特に単身での入居を希望する場合、緊急連絡先や身元保証人の有無が問われるケースも多く、大家さんや管理会社が万が一のリスクを懸念するため、若年層に比べて審査基準が厳しくなる傾向があります。
2:コストの比較
マイホーム購入と賃貸の40年間居住した場合のコストを比較してみましょう。
2.1:マイホーム購入の場合
3,000万円のマイホームを購入した場合
■初期費用
・頭金:物件価格の1~2割(300万円)
・諸費用:物件価格の5~10%(200万円)
詳しくは「初期費用」のコラムをご覧ください
■ランニングコスト
・住宅ローンの返済:約9万円
借入金額:2,700万円
金利:1.77%(固定)
返済期間:35年
返済方法:元利均等法
・固定資産税:約10万円
・修繕、リフォーム費用:約500万~1,000万円
・火災保険料:約15万円
2.2:賃貸の場合
7万円の家賃(共益費込み)のアパートを借りた場合
■初期費用
・敷金:家賃1~2か月分(7万円)
・礼金:家賃1~2か月分(7万円)
・仲介手数料:家賃1か月分+消費税(7.7万円)
■ランニングコスト
・家賃:7万円
・更新料:2年ごとに家賃1か月分(7万円)
・火災保険料:1年ごとに約1万円
・引っ越し費用:6万円(ファミリー世帯)
2.3:マイホーム購入VS賃貸
■マイホーム購入の場合の総費用
住宅ローン返済総額:3,780万円
諸費用:200万円
税金・修繕費:1,600万円
総額:5,580万円
■賃貸の場合の総費用
家賃総額:3,360万円
更新料(2年ごと):140万円
引っ越し費用(10年に1度):24万円
総額:3,524万円
結果として40年間のコストは、賃貸の方が「約2,000万円」安いという結果になりました。
しかし、もし30歳でマイホームを購入した場合、65歳で住宅ローンを完済予定となります。
その後は月々支払っていた住宅ローンの返済額がなくなるため、退職後も安心感があります。また、今回は固定金利(1.77%)で資産していますが、より金利が低い住宅ローンを活用できた場合は、住宅購入の総コストを大きく抑えらえる可能性があります。
一方、賃貸の場合は住み続ける限り家賃を支払い続ける必要があり、老後の家賃の支払いリスクは考慮しなくてはなりません。
3:まとめ
いかがだったでしょうか。
賃貸に住み続けるか、思い切ってマイホームを購入するか…。この選択に悩んでいる方は少なくありません。
それぞれにメリット・デメリットがあるからこそ、大切なのは自分のライフスタイルに合った住まいを選ぶことです。
今回のコラムが、将来の住まい選びのヒントになれば幸いです。